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Created by: Cathleen Chuang, '07
Created in: July 19, 2005
Maintained by: Yoshimi Maeno
Last updated: August 11, 2005
Expires: July 2006


English | 日本語

恋と友情の間
エレン・キム(2004年)

 

私の家の後ろには木が一本ありました。いつ植えたかわかりませんが、雨や雪が降る日にも、強い風が吹く日にも、いつもそこで屈せずに立っていました。最近そこに行ってみたら、その木はもうなくなってしまったとわかりました。一生忘れられない思い出がまだその場所にあります。

彼に始めに会ったのは私が小学校の五年生の時、隣の教室ででした。友達に会うために行ったその教室で、背が凄く高くて日焼けした顔の男の子が目に入りました。彼のことをよく知らなかったのに、なぜかかげりがある彼の顔に気が付いて、私は彼から目を外せませんでした。そのままその気持ちがなくなってしまったら、彼は私の思い出をちょっと横切る人にしかならなかったかもしれませんが、偶然に彼と同じ英語の塾に行くことになって、私の初恋であると同時に片思いはそういうふうに始まることになりました。

彼は、なかなかよく分からない人でした。彼をよく知るようになりましたが、時々彼の冷たそうな顔や攻撃的な話し方は私をびっくりさせ、私はいつも彼の前で緊張していました。しかし、彼にもっと近寄ると、その冷たい顔の後ろにも隠された温かさがあることが私は段々分かるようになったのです。自分が先に入らずに、女性にドアを開けてくれる親切、夜、塾が終わった後、女性を待ってくれて家の近くまで、一緒に行ってくれる優しさを持っている人だったのです。そして、彼と別れるところがその木の前でした。自分の家に向かって歩いて行く彼の後ろ姿を見ながら、私はいつも心の中で寂しさを感じました。それが、恋と言うのかと疑うことはしませんでした。それを敢えて確認する勇気はありませんでした。彼は、まだ難しい人だったし、私の心を彼が知るようになったら、彼との友情の関係までも無くすかもしれないと思い、私は私の感情を彼に見せることは絶対できませんでした。その代わりに、私は彼との思い出があるその木をとても大切にするようになりました。小学校を卒業した後、彼と違う学校に行って彼にもう会えなくなったけど、家の窓からその木を見るだけで、私は嬉しかったのです。その木の葉が緑になっても、赤くなっても、私はその木をずっと見ながら、彼を思い出すことができました。

しかし、その強そうな木が台風で倒れ、ある日切り株だけを残してなくなってしまいました。その切り株に座ると、まだその幼い時の恋の気持ちが感じられます。でも、それはもう私の記憶の隅のことで、今は、美しい思い出になっています。大人になって彼に会っても、私の胸はまだどきどきします。彼はいつまでも忘れられない人だということが分かります。ですが、今はそれが恋かどうかもう分かりません。多分、その昔の恋と友情の間で、まださまよっているかもしれません。

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