去年の夏休みに、私は家族と一緒に中国西南地区にある雲南省へ旅行しました。雲南省は中国で「四季春の如し」と言われていて、一年中春のようなお天気で、そこには25の少数民族が暮らしているそうです。
私達の旅行の第一目的地は麗江(リィチャン)市でした。麗江は現在、世界文化遺産で、そこには千年前から遺された大きな古城があります。古城の中には、昔の頃シルクロードに使われた古道や、当時の領主木王府の建物がまだ見られます。でも、今の古城は色々なレストラン、パブ、お土産屋や民族服屋などが街中にいっぱいで、観光客も多くてとてもにぎやかです。
麗江には、雲南省で一番高い山――玉龍雪山(ユイロンせつざん)があります。私は、両親と一緒に現在人が登れる4680メートルの最高峰に上がりました。いきなり地上より一千メートルも高い山に上がったので、私は高原病にならない為に、酸素ボンベを使わなければならなかったのです。でも、頂上に登ると、下に浮ぶ白い雲や、緑の山や畑が見えて、とても綺麗でした。
私達の次の目的地は濾沽湖(ろここ)でした。濾沽湖にはモソ族と言う民族が住んでいて、遥か昔からの母系社会の伝統を今まで守り続けています。以前聞いた話によると、モソ族は“通い婚”という独特な結婚制度を行っているそうです。地元のガイドさんに聞くと、モソ族の女性は結婚しても家を出ないで、男性は毎晩女性の家に通い、朝になると実家に戻ります。“結婚”と言っても、現在の一般社会みたいな結婚式と言う形もありません。女性は13歳になると、成年儀式が行われて、彼女達には成年としての全ての権利が与えられます。その後、女性は好きな男性と贈り物を交換し始め、良い関係ができたら、女性は夜に男性と自分の部屋で待つ約束をするのです。これが“通い婚”の始まりです。面白いのは、男性は子供を育てる義務も権利もない事です。子供は普通、母親と母親の兄弟で育てます。
私達は好奇心に駆られて、モソ族の一軒の家を訪ねました。家の主人はおばあさんで、彼女は家族の中で一番大きい権利を持っているのです。おばあさんは祖母居と呼ばれる古い部屋に1人で住んでいます。私達は祖母居に入り、あたりを見回ってみました。部屋の真ん中には囲炉裏があり、中の火は一年中燃やし続け、部屋の中は煤けて真っ黒になっていました。囲炉裏の後ろの壁にはサンバラと呼ばれる火の神が祀られていて、前には食べ物を供える麗品台という台がありました。サンバラはモソ族が信じるチベット仏教で最も重要な神だそうです。
祖母居の中に二本の柱が立っています。この二本の柱は女の柱と男の柱で、子供が13歳になるとこの柱の前で成人式を行います。屋根の裏には豚肉が干されていました。この豚肉は何十年もこの様に保存されていて、豚肉の大きさは家の社会地位を示しているそうです。その日の夕食に、豚肉のスライスが出ました。その豚肉は内臓と骨抜きで塩、お酒と色々な香料を詰めた特別なお料理です。外見は脂身が多くて肉が少ないので、食べるには少し戸惑いましたけど、試してみるとなかなか美味しかったです。
その晩、濾沽湖でモソ族の民族ダンスショーを見終わって、町で子羊の丸焼きを皆で一緒に食べました。普段の羊と味が違い、特別な香料と汁を加えていて、言葉で表せないほど美味しかったです。
今度の雲南省旅行は、麗江と濾沽湖の他、シャンガリアにも行けて、本当にとても楽しかったです。中国西南地区少数民族の文化や歴史等に付いても色々学ぶ事が出来て、本当に良い経験になったと思います。次にまた機会があれば、私は又友達や家族と一緒にこの様な旅をしたいです。
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